伊藤淳子訳「心が安まる老子」

第二十二章 不完全だから、成功に近づける


曲がりくねって伸びた樹木は、伐採されずに 天寿をまっとうする。
尺取り虫は、縮まってから 身体を伸ばして、前に進む。


土地は窪(くぼ)んでいるから、水が溜まる。
服はほつれるから、新調する機会を得る。


最初から完全でないから、目的を達成できる。
最初から望むかたちになっていたら、かえって戸惑うだろう。


生きていくことの達人は、「一」という、スタートラインを
いつも身につけているから、世の人々の手本となる。


姿を現さず、才能をひけらかすこともない。
それでも、その才能は
世の中で明らかになる。
自分の意見が正しくても、強情を張ったりしないから、最終的には意見が認められる。


功績を自慢したり、誇示しないが、結果的に評価される。
高い地位についても、驕(おご)ったり、誇ったりしないので、その地位に長く留任する。


このように、人と争うことをしなければ、敵対するものがいない。


「曲がっている樹木は天寿をまっとうできる」という 昔の言い伝えがある。
まさにそのとおりだ。
完全でない形だからこそ、長く存在することができるのだ。

  • 「心が安まる老子」の著者伊藤淳子さんからメールを頂きました

下記に掲載します。
大西様
「心が安まる老子」の翻訳?者の伊藤淳子です。ブログでのご紹介、ありがとうございます。
今日(というか、さっき)テレビで、農薬散布によって、子供たちの神経回路の発達以上が起るというよう
なレポートを放映していました。農家のみなさまのご苦労を思うと、勝手に食べるだけの都会人たちの勝手な言い分は心苦しく思う部分もありますが、農業や食は、日本の未来をも担っていると考えますと、やはり有機栽培や、せめて低農薬で作っていただきたいと思うばかりです。


「ちろりん村」というと、世代が同じような気がします(笑
先日、某講演で「アンノン族」と言ったら、参加者の半数が知りませんでした(笑)
日本の未来は、どうなるのでしょう?
よくならないまでも、悪くならないようにがんばらなくちゃいけませんね。
突然のメールで失礼いたしました。
伊藤淳子