伊藤淳子訳「心が安まる老子」

第四十五章 いいこともあれば、悪いこともある


自然界のルールは、
完璧だ。
にもかかわらず、
欠点ばかりにみえる。
それでも、
疲れることも休むこともなく、
自然の営みは続いていく。


人生を、器にたとえてみよう。
たっぷりと満ちているのに、
空っぽのようで、
むなしくなることがある。
それでも人生は過ぎていく。


ひたすらまっすぐに続く道に立つと、
道は曲がって見える。
卓越(たくえつ)した職人の作品は、
子供が作ったようにシンプルだ。


口角泡を飛ばすような話し振りは、
心に伝わらないから、
いくら饒舌(じょうぜつ)でも、
つたない話し方である。


すばらしいことも、
過度になれば
逆に思える。
でも、そのどちらかが
正しいわけではない。


動き回っていれば、
寒さを克服できる。
静かにしていれば、
暑さをしのげる。
動いていても、
静かにしていても、
勝利は手中にある。


心を清らかにして、
平常心を忘れずにいることが、
世界有数のリーダーとしての
ありようだ。


  • 「心が安まる老子」の著者伊藤淳子さんからメールを頂きました

下記に掲載します。
大西様
「心が安まる老子」の翻訳者の伊藤淳子です。ブログでのご紹介、ありがとうございます。
今日(というか、さっき)テレビで、農薬散布によって、子供たちの神経回路の発達異常が起るというよう
なレポートを放映していました。農家のみなさまのご苦労を思うと、勝手に食べるだけの都会人たちの勝手な言い分は心苦しく思う部分もありますが、農業や食は、日本の未来をも担っていると考えますと、やはり有機栽培や、せめて低農薬で作っていただきたいと思うばかりです。
伊藤淳子