伊藤淳子訳「心が安まる老子」

第五十章 生かされて生きる


生まれ出て、
死に至るのが、
人の一生である。


人々は、
十人のうち三人は長生きだ。
短命の人も、十人のうち三人くらいいる。
なかには、長寿の運命なのに自ら命を縮める人がいるが、
そうした人もまた、十人に三人くらいの割合だ。


生きていくことができるのに、
なぜ、自ら死に急ぐのかというと、
生きることに執着しているからだ。


命は自分のものではなくて
与えられたものだ。
そう考えてみれば、
怖いものなどない。
人生は、自分の知らないどこかで
プログラムが組まれている。


ジャングルで猛獣に出会っても、
襲われたりしない。
戦地で、身を守る盾がなくても、
弾が当たらない。
無頓着でいれば、
猛獣も、歯や爪をたてようと
襲ってきたりはしないし、
戦地の敵も、
刀や剣を向けてきたりはしない。
なぜかといえば、
死ぬタイミングではないからだ。


  • 「心が安まる老子」の著者伊藤淳子さんからメールを頂きました

下記に掲載します。
大西様
「心が安まる老子」の翻訳者の伊藤淳子です。ブログでのご紹介、ありがとうございます。
今日(というか、さっき)テレビで、農薬散布によって、子供たちの神経回路の発達異常が起るというよう
なレポートを放映していました。農家のみなさまのご苦労を思うと、勝手に食べるだけの都会人たちの勝手な言い分は心苦しく思う部分もありますが、農業や食は、日本の未来をも担っていると考えますと、やはり有機栽培や、せめて低農薬で作っていただきたいと思うばかりです。
伊藤淳子