伊藤淳子訳「心が安まる老子」

第五十三章 平凡であること


しっかりした志を持って、
リーダーであると自覚している人は、
大通りのような生き方を選択し、
脇道にそれないようにと心がける。


広い道は平坦で起伏がない。
単調で、つまらなさそうなので、
ふつうの人はつい、
横道を歩いたり、
道草したくなる。


大きくて広い道は、
だれもが通れる。
なにもない、
ごくあたりまえの道だ。


大きな道をそれたところには、
掃除が行き届いた住居がある。
しかし、そこでは田畑は荒れ果て、
食べ物の蓄えがない。
にもかかわらず、
人々は上流階級として贅沢に着飾り、
宝飾を身につけ、
飽食の日々を送り、ありあまる財産を保有する。
これを称して、盗人(ぬすっと)の驕(おご)りという。
これは恥ずべき生き方だ。


  • 「心が安まる老子」の著者伊藤淳子さんからメールを頂きました

下記に掲載します。
大西様
「心が安まる老子」の翻訳者の伊藤淳子です。ブログでのご紹介、ありがとうございます。
今日(というか、さっき)テレビで、農薬散布によって、子供たちの神経回路の発達異常が起るというよう
なレポートを放映していました。農家のみなさまのご苦労を思うと、勝手に食べるだけの都会人たちの勝手な言い分は心苦しく思う部分もありますが、農業や食は、日本の未来をも担っていると考えますと、やはり有機栽培や、せめて低農薬で作っていただきたいと思うばかりです。
伊藤淳子