伊藤淳子訳「心が安まる老子」

第七十七章 正しい采配


天の道というものがあるなら、
それは弓を張るときのようなものだ。
中央の高い部分は抑え、
下のほうの低い部分は引き上げ、
余るところがあれば減らし、
足りないところがあれば補う。
このように、
天の采配とは、余っているところを減らして、
足りないものを補う。


しかし、人が行う采配となると、
なかなかそのようにはいかない。
むしろ、不足な者から奪いとり、
余りある者へ献上させようとする。


余っているものを
社会のために献上する者など、
いるだろうか。


それは、
ものの道理をわきまえた人にしかできない。
そんなすばらしい人は、
事業を成し遂げても誇らず、
その地位に居座らない。


なぜなら、
自分が賢いということを
世の中に現そうとしないからだ。


  • 「心が安まる老子」の著者伊藤淳子さんからメールを頂きました

下記に掲載します。
大西様
「心が安まる老子」の翻訳者の伊藤淳子です。ブログでのご紹介、ありがとうございます。
今日(というか、さっき)テレビで、農薬散布によって、子供たちの神経回路の発達異常が起るというよう
なレポートを放映していました。農家のみなさまのご苦労を思うと、勝手に食べるだけの都会人たちの勝手な言い分は心苦しく思う部分もありますが、農業や食は、日本の未来をも担っていると考えますと、やはり有機栽培や、せめて低農薬で作っていただきたいと思うばかりです。
伊藤淳子