伊藤淳子訳「心が安まる老子」

第五十四章 しっかりとした基礎づくり


しっかりと建てた家は倒れない。
しっかりと身につけた信念は、
剥がれ落ちることがない。
子孫たちが、
末永く祖先を祀る気持ちを忘れずにいれば、
人柄や品性は
ますます磨きがかかる。


村や町については、どうだろう。


落ち着いて暮らせる村や町は、
人々が長く住みたいと思い、
みんなの故郷となる。
人々が暮らしたいという国は、
豊かな国で、
落ち着いた社会がある。
そんなところに住んだら、
人々の品性はさらに高まるだろう。


それぞれの生き方を以て
人となりを観察し、
家の建て方を見て、
家を観察し、
故郷のありかたを見て、
故郷を観察する。
国家の采配を見て、
国家を観察し、
世界の行方を見るために、
世界を観察する。


世界はどうなるのかは、
このような方法で知るのである。


  • 「心が安まる老子」の著者伊藤淳子さんからメールを頂きました

下記に掲載します。
大西様
「心が安まる老子」の翻訳者の伊藤淳子です。ブログでのご紹介、ありがとうございます。
今日(というか、さっき)テレビで、農薬散布によって、子供たちの神経回路の発達異常が起るというよう
なレポートを放映していました。農家のみなさまのご苦労を思うと、勝手に食べるだけの都会人たちの勝手な言い分は心苦しく思う部分もありますが、農業や食は、日本の未来をも担っていると考えますと、やはり有機栽培や、せめて低農薬で作っていただきたいと思うばかりです。
伊藤淳子