伊藤淳子訳「心が安まる老子」

第五十七章 大雑把でいこう


国を統治するには正々堂々と行い、
兵隊をつかうには、奇策を用いるのがよいと言われる。
しかし、
天下をとるためには
なにもしないのが一番だ。
なんでそんなことがわかるかというと、
次のようなことからわかったのだ。


あれをやってはだめとか
これをやってはだめという規則が増えると、
人々のやる気はどんどん失せる。
だから、ますます貧しくなっていく。


便利なものがトレンドとなると、
欲しがる人々が増えて、
国が混乱する。


技術や技巧が発達すると、
実用的ではない、変わったものが
珍重されるようになる。
法律がきびしくなればなるほど、
泥棒や、法の網をくぐって悪事を働く者がでて、
罪人も増える。


リーダーとなる人は、
無欲になり、
人々が豊かになることだけを考える。
リーダーとなる人が手を下さなければ、
人々は任せられたと思って、
自由に行動する。


リーダーが、
争いのない静かな社会を望めば、
人々は自ら、正しい行動をとる。
リーダーが、
つつがなく日々を送っていれば、
人々は豊かに過ごすことができる。
リーダーが、
いろいろな欲望を持たなければ、
人々はいつまでもついていく。


  • 「心が安まる老子」の著者伊藤淳子さんからメールを頂きました

下記に掲載します。
大西様
「心が安まる老子」の翻訳者の伊藤淳子です。ブログでのご紹介、ありがとうございます。
今日(というか、さっき)テレビで、農薬散布によって、子供たちの神経回路の発達異常が起るというよう
なレポートを放映していました。農家のみなさまのご苦労を思うと、勝手に食べるだけの都会人たちの勝手な言い分は心苦しく思う部分もありますが、農業や食は、日本の未来をも担っていると考えますと、やはり有機栽培や、せめて低農薬で作っていただきたいと思うばかりです。
伊藤淳子