伊藤淳子訳「心が安まる老子」

第六十一章 大きな組織の務め


大きな組織を大国とすると、
大国とは、広大な川の下流のようなものだ。
そこは、小さな川が流れてきて、
天下の交流場所となる。
それは、たとえていえば、
世界中の男性が魅了されてしまう
女性のようなものだ。


魅力的な女性は、
清楚で、物静かでいることで、
男性達を惹きつけていく。
大河の下流のように、
流れ込むものを受け入れる
場所となっている。


大きな組織は、大河の下流のように、
中流れ込む小川のような
小さな組織や人々を、
いつも謙虚に受け入れる。
だから、彼らの信頼を得られるのだ。
そして、小川のような者たちもまた、
従順に流れ込んでいくことで、
大きな川に保護される。


大きな河であれ、
小さな川であれ、
おたがいを認め、
受け入れることにより、
それぞれの目的を達成する力となる。


大きな組織は、
小さな組織に仕事を任せ、
小さな組織は、注文どおり、
きちんと仕上げる。
どちらもおたがいを認めることは大切だが、
それであればまず、
大きな組織のほうから、
小さな組織を
受け入れてやるべきだろう。


  • 「心が安まる老子」の著者伊藤淳子さんからメールを頂きました

下記に掲載します。
大西様
「心が安まる老子」の翻訳者の伊藤淳子です。ブログでのご紹介、ありがとうございます。
今日(というか、さっき)テレビで、農薬散布によって、子供たちの神経回路の発達異常が起るというよう
なレポートを放映していました。農家のみなさまのご苦労を思うと、勝手に食べるだけの都会人たちの勝手な言い分は心苦しく思う部分もありますが、農業や食は、日本の未来をも担っていると考えますと、やはり有機栽培や、せめて低農薬で作っていただきたいと思うばかりです。
伊藤淳子