伊藤淳子訳「心が安まる老子」

第六十六章 大河や大海となる


たくさんの川が流れ入る谷間は、
大河や大海に続いている。
その様が、堂々と王者のように見えるのは、
低地にいて、
すべてを受け入れているからだ。


人々の上に立って采配をふるいたいなら、
言葉を慎み、
自らをアピールしない。
人々の先頭にたって指導したいのなら、
かならず人々の後方支援をすべきである。


すぐれた人は、
リーダーになっても
人々にプレッシャーを与えないし、
前に立ったところで、
支障を感じさせたりしない。
むしろ、人々が喜んで推挙したがる。


競い合って地位を手に入れるのではなく、
人々の願いでその地位を得るので、
ライバルなど、
現れようがない。


リーダーとは、
そんな大河や大海のような存在だ。


  • 「心が安まる老子」の著者伊藤淳子さんからメールを頂きました

下記に掲載します。
大西様
「心が安まる老子」の翻訳者の伊藤淳子です。ブログでのご紹介、ありがとうございます。
今日(というか、さっき)テレビで、農薬散布によって、子供たちの神経回路の発達異常が起るというよう
なレポートを放映していました。農家のみなさまのご苦労を思うと、勝手に食べるだけの都会人たちの勝手な言い分は心苦しく思う部分もありますが、農業や食は、日本の未来をも担っていると考えますと、やはり有機栽培や、せめて低農薬で作っていただきたいと思うばかりです。
伊藤淳子