伊藤淳子訳「心が安まる老子」

第七十四章 処罰は天に任す


人々が自暴自棄になって、
死ぬことをなんとも思わなくなったら、
死に対する恐怖によって圧力をかけても、
脅すことにはならない。
しかし、死というものに対して
怖れを感じているなら、
秩序を乱すものは捕らえられ、死刑に処す
と脅すことができる。


だが、どんなことであれ、
人を処罰することなど、できるだろうか。


自然界には、
常に刑に処す働きがある。
それは、天の役目だ。


彼らに代わって処罰するということは、
名工に代わって木を削るようなものだ。
大工の素養もないのに木を削れば、
手を傷つけずにすむことは
めったにないだろう。


  • 「心が安まる老子」の著者伊藤淳子さんからメールを頂きました

下記に掲載します。
大西様
「心が安まる老子」の翻訳者の伊藤淳子です。ブログでのご紹介、ありがとうございます。
今日(というか、さっき)テレビで、農薬散布によって、子供たちの神経回路の発達異常が起るというよう
なレポートを放映していました。農家のみなさまのご苦労を思うと、勝手に食べるだけの都会人たちの勝手な言い分は心苦しく思う部分もありますが、農業や食は、日本の未来をも担っていると考えますと、やはり有機栽培や、せめて低農薬で作っていただきたいと思うばかりです。
伊藤淳子