「元気な種で育てる究極野菜の誕生」連載３８

著者の石井吉彦さんは昨年の創業祭にて講演会をお願いしました、今回は彼の著書を連載でご紹介致します。

- - 引用ココから---

第三章　安全・安心って　なあに？
３、硝酸体チッソから有機堆肥を考える
市販のスーパーで売られている、ホウレンソウや小松菜の色が濃いと思ったことはありませんか？
そして、昔よりえぐみがあるように感じたことはありませんか？
これらを湯がくと、お湯が黄色になります。その正体は「硝酸体チッソ」です。土壌中の化学肥料や、動物性の堆肥から出たチッソが形を変えたものです。
植物（作物）は、光合成によってつくられた糖とリン酸により、チッソをタンパク質に変えることで成長していきます。チッソを多く与えれば、それだけ作物は青々と濃い色になります。緑黄色野菜は、色が濃いと栄養がありそうで消費者が喜ぶという理由と、生産期間が早まるという理由から、農家が早く出荷できる利点があります。
硝酸体チッソ（nitraate nitrogen）とは、硝酸イオンのように、酸化チッソの形で存在するチッソとされています。
通常はN03の硝酸イオンに金属が結合した、硝酸塩という形で存在していますが、このうちのNの部分だけを取ったものを硝酸体チッソと言います。
硝酸体チッソは、窒素化合物の酸化によって生じる最終生成物です。土壌中の硝酸体チッソとしては、土壌中の無機チッソである、アンモニア態チッソ、亜硝酸態チッソ、硝酸態チッソの三つが存在します。
通常、有機物が分解されると、まずアンモニア態チッソが生成されますが、土壌中の硝酸菌の作用で亜硝酸態チッソを経て、硝酸態チッソにまで変換されます。植物は、硝酸態チッソでしか根から吸収して利用できないため、チッソ固定菌がいない環境では生育できないのです。
これを補うため、化学肥料や動物性堆肥などによるチッソ肥料の中には、硝酸態チッソが大量に含まれています。硝酸態チッソを含む肥料が大量に施肥された結果、地下水が硝酸態チッソに汚染されたり、葉もの野菜の中に大量の硝酸態チッソが残留するといった環境問題も起こっています。
WHO（世界保健機関）では、硝酸態チッソの安全基準を、体重１キログラムあたり3.5mgまで摂取しても大丈夫であるとしていますが、それがどんなに少量でも、体によくないものは取り入れたくないですよね。また、100g中に20000mgもの硝酸態チッソが検出されたこともあります。
すべての野菜が検査を通っているわけではない以上、安心はできません。
このように、田畑に散布された有機物に含まれる重金属は、一部は植物に吸収されて、一部は地下水に流れていきます。この水も、井戸水や水道水、あるいは魚貝類を通して人体に蓄積されます。作物に吸収された重金属も、食べたり、家畜の餌を通して肉や卵になり人体に蓄積されます。

- - 引用ここまで---次回につづく

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著者は石井吉彦　発行は有限会社ナチュラルシードネットワーク
〒286-0117　千葉県成田市三里塚光ヶ丘1-454　ご注文はファックス0476-40-4006でお願いします。ネットでも購入できます、下記↓で購入して下さい。
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