「元気な種で育てる究極野菜の誕生」連載７７

著者の石井吉彦さんは昨年の創業祭にて講演会をお願いしました、許可を頂いて彼の著書を連載でご紹介致しています。

- - 引用ココから---

第５章　究極の種で安心・安全野菜
３、自家採種のすすめ　その２「基本実務編」
家で採種するには、その野菜がどんな繁殖条件で繁殖しているのかについて、知らなくてはいけません。
自家採種で最も大きな問題は、「交雑による影響」です。
そのため、交雑しやすい野菜は引き離しておかないといけません。寒冷紗などで、通気性のよい被覆資材で覆って、隔離することが重要です。
自家受精（同じ個体の中から受粉する）で繁殖することを、自殖性といいます。
一方、他家受粉（他の株の花との間で花粉が交換されます）によって繁殖することを、他殖性といいます。
自家受精作物は、稲、小麦、大麦、豆類、ナス科の作物などがあり、遺伝子の交換が行われにくいため、純系になって弱くなります。
他家受粉作物は、トウモロコシ、ライ麦、アブラナ科、野菜、ウリ類などがあり、遺伝子の交換が行われるので雑種系になって強くなります。
とくに問題なのがアブラナ科で、交雑関係が複雑で隔離の必要があります。ブラシカ属といって、遺伝子のゲノムタイプによってハクサイ、小松菜、カブ、京菜群、カラシナ、ダイコン群、キャベツ群に分かれ、それぞれ交雑してしまうので気をつける必要があります。
簡単なのは、自家受精するものです。
たとえば、インゲン、キヌサヤ、グリンピース、大豆、スナックエンドウ、小豆などの豆類や、スイカ、キュウリ、ナス、カボチャなどは、最も格好のいい形や大きさのものを選び、収穫しないでそのまま完熟させます。実が枯れてきたら、収穫してそのまま風乾させておきます。
スイカやメロンは、美味しそうなものを選んで食べて、種を残します。種をとる側の人は、よい農作物は出荷せずに食べるのが原則です。
キュウリやナスは、大きくなるまでおいておき、黄色くなって巨大になると（キュウリなら４０センチから５０センチ以上の大きさ）、完熟して溶けていきます。それを洗って、ざるなどに種だけ残し、乾燥させます。
最初は、このような種からとるのがよいでしょう。

- - 引用ここまで---次回につづく

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著者は石井吉彦　発行は有限会社ナチュラルシードネットワーク
〒286-0117　千葉県成田市三里塚光ヶ丘1-454　ご注文はファックス0476-40-4006でお願いします。ネットでも購入できます、下記↓で購入して下さい。
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