動物の無菌飼育は可能か？　その３ - ちろりん村の社長日記

連載は「こうべ消費者クラブ」代表前迫（まえさこ）さんの「そろそろ本当のことを言わなくっちゃシリーズ」を了解を得て連載しています。なお、掲載部分は冊子の左側本文のみとし、右側参考資料は省きます。ご興味のある方は「こうべ消費者クラブ　078-903-2567」までお問い合わせください。
掲載ここから前回からの続き
このように飼育期間が160日程度の豚でも完全な無菌飼育は産業的には不可能なのですが、人間の場合で想像すると母親に抱かれることもなく保育器から無菌室で一生育てられる場合、情操的にも問題です。社会性も何も育たない単なる哺乳類「ひと」でしかない「飼育」になってしまいかねません。これが強制的に行われれば人権問題ですよね。
実際、生まれた時から免疫を持てないため、いかなる微生物の汚染も直ちに生命の危機に繋がる病気があります。「先天性重症複合免疫不全症」と呼ばれるそうです。
この病気の場合、出生と同時に無菌管理して育てられますが、いつか何らかの菌やウイルスに感染して早くに亡くなるのは避けられないようです。何よりも抵抗性のない虚弱な体質にしか育つことができないようです。
老化を恐れるあまり、仮に無菌環境で寿命も150才まで延ばせたところで、150年もそんな特殊な生活管理が続けられるわけもありません。ましてやそんな無菌施設に閉じこもる人生が人生の名に値するのか？相当疑問ですね。
動物の無菌飼育は可能か？の掲載は今回で終わりです、次回は「腸内細菌叢」が始まります。

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