腸内細菌叢　その１ - ちろりん村の社長日記

連載は「こうべ消費者クラブ」代表前迫（まえさこ）さんの「そろそろ本当のことを言わなくっちゃシリーズ」を了解を得て連載しています。なお、掲載部分は冊子の左側本文のみとし、右側参考資料は省きます。ご興味のある方は「こうべ消費者クラブ　078-903-2567」までお問い合わせください。
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先に、「SPF豚も腸内細菌叢を持っています」と書きましたが、この腸内細菌叢ってなんのことでしょう？　胃を４つも持つ反芻動物は、ルーメンに発酵槽を持っていますが、ほとんどの動物は主に腸に微生物を持っています。中でも反芻動物以外の草食動物は盲腸が発達していて、盲腸も重要な消化器官になっています。
さて、この腸に寄生または定着している細菌の中で、よく知られている菌としては大腸菌があります。実は、これまでの腸内細菌の種は培養によって固定されてきましたが、実は多くの細菌の培養は簡単ではありません。大腸菌は比較的培養が容易であったために、早くから腸内細菌の代表のように考えられてきました。そのため、糞便や汚水由来の食品汚染などの検査では、「大腸菌群」の培養検査が必須検査になっています。
でも、近年微生物学に遺伝子配列による分析法が導入され、「ヒトの腸内常在菌の75〜80％は培養が困難」と知られるようになり、分子生物学的手法との組み合わせで、腸内細菌叢の全体像が見えだしました。その結果、大腸菌はこの細菌叢の中では0.5％程度でしかないことが知られてきました。
とはいえ、この大腸菌も腸内でビタミン合成や老廃タンパク質をアミノ酸に分解したり、動物にとっても有用な栄養素を作る仕事もしています。
掲載ここまで、次回は腸内細菌叢　その２です。

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