「プロバイオティクス」　その３ - ちろりん村の社長日記

連載は「こうべ消費者クラブ」代表前迫（まえさこ）さんの「そろそろ本当のことを言わなくっちゃシリーズ」を了解を得て連載しています。なお、掲載部分は冊子の左側本文のみとし、右側参考資料は省きます。ご興味のある方は「こうべ消費者クラブ　078-903-2567」までお問い合わせください。
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有機農家で堆肥を真面目に作っている人にはこのことが直ぐにわかります。堆肥を作るというのは畜糞や雑草や落ち葉や食品残滓などを発酵菌で分解することです。菌を外から入れる場合もありますが、そこの土着菌に頼る場合も少なくありません。
枠を作ったり山のように積み上げたりして、それらの堆肥原料を積みますが、このときに先ず含水調整をします。ベトベトだったら米糠や鋸屑・籾殻・切り藁などで含水率を60％以下くらいに押さえます。
その積み上げをふわっと積むか、鎮圧するように積むかで、酸素量を決めます。好気性発酵にするのか嫌気性発酵にするのかですね。
そんな風に発酵条件を整えてやることで、発酵が始まります。やがて、適度な時間（日数）を置いて切り返す場合は切り返します。空気を入れるわけです。それで何ヶ月か発酵を管理しながら堆肥は作られます。つまり、適度な条件を作ってやると、菌はどんどん働いてくれるわけです。実際には分解過程の段階によって、様々な菌が交替しながら発酵は続きます。条件を揃えても発酵材の分解過程で菌叢は代わっていくわけです。
ですから、ヒトが自分でこんな菌を増やしたいといくら食べても、腸内条件がその菌に向いてなければ、定着してくれません。
味噌・醤油・酒・食酢・納豆・漬物等々の発酵食品製造者も発酵菌の専門家で、このことをよく知っています。あるいは様々な研究施設・検査施設でも菌は培養されます。最もよく見る検査培養法では、手の平サイズのシャーレーに寒天を固めた「寒天培地」に検体をなすりつけて、適正温度の保温庫で適度な時間増殖させます。それが細菌検査ですが、実はこの寒天には様々なモノが溶かされています。検出する目標細菌、例えば一般細菌検査とかサルモネラ検査とか大腸菌群検査などではそれぞれの目標菌が増殖しやすいような条件＝PH調整材や栄養も溶かされています。ちなみに大腸菌群用の培地にはペプトン（消化性タンパク質）や乳糖が溶かされています。大腸菌群には乳糖を分解できる菌が多いんですね。
掲載ここまで、次回につづく。

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