「２、食品偽装と販売者（主に量販店）」その３

連載は「こうべ消費者クラブ」代表前迫（まえさこ）さんの「そろそろ本当のことを言わなくっちゃシリーズ（2010年以前に配布）」を了解を得て連載しています。ご興味のある方は「こうべ消費者クラブ　078-903-2567」までお問い合わせください。
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実際は諸外国の乳製品価格は上がっています。日本だけ生産過剰の余波で上がらないんですが、コストが上がってるのになんですぐ上がらないのか？　酪農家を潰しても上がらない。実は来年くらいからは上がりそうなんですけど、このタイムギャップに実際の日本の食品流通って言うかスーパー（量販）・大型生協の「パワー」の問題があります。
つまり、日本中に進出した大型スーパーなどが地方の商店街や（公設）市場を潰して流通の寡占状態を創り上げました。
食品メーカーとしては、地方の小売店にまで販売促進していた時代は条件が合わなければ納入しなくても良かった。ナショナルメーカー（全国規模）ならテレビコマーシャルでネームバリュウ（ブランド）を上げたら、小売店のほうからお店に置かして欲しいと頼まれるような力関係でした。ですから、生産価値＝生産コスト以上の価格設定ができたわけです。
ところが大手量販店や大型生協が巨大な販売力を持ち出すと力関係が逆転します。この力関係の逆転は、食品の価格を先に決めます。するとそれに、（ここで「つじつま合わせ」が起こって）＝価格に見合う原料で商品を作るしかなくなる。ということになるわけです。
「ミートホープ」や先の「ゼンラク」の肩を持つわけではありませんが、こういう食品流通構造があるわけですね。
牛乳だって、鶏卵だって、物価の優等生って言われてきましたが、これも市場価格に合わせて生産者が努力してきた成果です。その努力の方法が、狭いケージに閉じこめて、安かった輸入コーンに依存してとても沢山の鶏を飼ったり（山城養鶏・浅田農産の十万羽養鶏）、メガファームと呼ばれる千頭規模酪農等で規模拡大と合理化を繰り返してきた結果でした。
つまり、市場価格に生産コストを合わせないといけない構造に逆転しています。それを、特に規模拡大（スケールメリット）でやろうとしてきた。ところが、量産化すればするほど生産過剰で交換価値は下げられてゆく。そこに今回のような飼料の暴騰などが加わると、やっていけなくなる。
終わり、次回は「３、食品流通の圧力と私達消費者」です。

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